「楽しまなくちゃ、音楽じゃないよ！」当たり前すぎて忘れがちなことを思い出させてくれたのは、彼だ。

指揮者の押し付けや譜面を追うことだけでは音楽は成り立たないことを教えてくれたのは、彼だ。

「作曲者はどう吹いてもらいたいんだと思う？」
「どう聞かせたいか、考えなきゃ！」
彼はスコアの行間を読み、作曲者の意図を読み解く。プレイヤーにも問題提起する。
「考える音楽」は、形ができるまでに時間はかかるが、それだけ得るものも大きい。

時には練習時間が押しているのも構わず熱く語る。音楽にかける思いは、ソレイユの中でも一番なのではないか。

「いい音がしてると、もっと聞きたいと思うんだよね」
指揮が遅くなるのは、プレイヤーとしては正直辛いが反面嬉しくもある。